中野瑠璃子ソプラノ・リサイタル
留学を控えたソプラノ中野瑠璃子の壮行会リサイタル、若手とはいえ圧巻の歌唱をたっぷり、じっくり聴かせてくれました。2023年5月から長期でオーストリア、音楽の都ウィーンに留学する中野。ドイツリート多めのプログラムはピアノの齋藤亜都沙との二人三脚で、歌とピアノが一体となり、歌詞の心情風景が見えるような繊細な演奏でした。オペラ《フィガロの結婚》伯爵夫人役の2つのアリアは陰影があり、一人舞台の演劇さながらのドラマを感じさせます。そして華やかなイタリア・オペラのアリアを弾ける生命力で、ラスト《椿姫》のアリアまで充分な声で歌い切りました。ピアノの齋藤亜都沙は、歌心に溢れた音楽性豊かな演奏と、正確なタッチ、オーケストラ楽器の特性を加味した表現で、唯一無二の重厚感を与えてくれました。
曲の合間に中野とナビゲーター森口賢二の会話形式で、選曲のエピソードをお話しし、親しみやすくアットホームなサロン・コンサートとなりました。当初2022年12月の開催予定から4月に延期となったため、12月と4月のお客様のバースデーをお祝いし、お客様からは将来性豊かな2人に盛大な拍手をいただきました。たくさんの皆様のご来場、ありがとうございました。
【出演】
中野 瑠璃子 Ruriko NAKANO, Soprano
齋藤 亜都沙 Azusa SAITO, Pianist
ナビゲーター 森口 賢二 Kenji MORIGUCHI, Bariton, Navigator
【プログラム】
シューベルト作曲 音楽に寄せて/春の信仰/ひそやかな愛
R.シュトラウス作曲 ツェツィーリエに/明日!
モーツァルト作曲《フィガロの結婚》より 愛の神よ、照覧あれ/楽しい思い出はどこに
ドニゼッティ作曲《愛の妙薬》より 受け取って、あなたは自由よ
ヴェルディ作曲《椿姫》より ああ、そは彼の人か~花から花へ ほか
【会場】ガルバホール